| name | stop-ai-slop-jp |
| description | AIで書いた日本語を、人間が書いた文章に戻す。下書き、編集、レビューで使う。全角ダッシュや偏愛語だけでなく、主体の不在、命題型H2、壮大化、両論併記、リズムの均一さも直す。 |
| metadata | {"trigger":"日本語の執筆、編集、レビュー、AI臭の検出と修正","language":"ja","inspired-by":"hardikpandya/stop-slop","author":"Daichi Nagashima (https://genshi.ai/)"} |
Stop AI Slop(日本語版)
AIで書いた日本語を、そのまま外に出せる文章に戻す。
大原則
AI臭の正体は、書き手の不在だ。自分が何を見て、何に引っかかって、どこまで言い切るのか。そのコアをAIに預けると臭う。全角ダッシュや偏愛語は、表面に出てくる症状でしかない。
書く前と書いた後に、自分に問う:
- 自分は何を「○○だ」と引き受けているか
- 誰かが反論できる具体的な主張があるか(「いや、Bだろう」と言える内容か)
- 同じテーマの平均的な記事と、どこで違うか
ここに答えられないなら、表面修正は後回しでいい。先に「自分は何が言いたいのか」を決める。
コアルール
A. 主体と立場(最優先)
- false agencyを潰す。モノに人間の動詞をさせない。「データが示している」「文化が醸成される」「お弁当が設計されていた」を、誰が何をしたかに書き換える。詳しくは
references/structures.md。
- 反証可能な主張を持つ。「重要だ」「本質的だ」で終わらせず、誰かが反論できる具体に降りる。降りられないなら、その文を削る。
- 強度を一段下げ、中間温度を混ぜる。全部を「すぎる」「最高」「ヤバい」にしない。「悪くない」「まあまあ」「微妙」「よく分からん」を入れる。本当に強い感情のときだけ強い言葉を使う。
- 断定を押し付けず、伝聞を残す。調べた事実には「らしい」「そうです」「ようだ」「と聞いた」を混ぜる。Wikipedia/辞書のような断定型は避ける。
- 遠くから語らない。「人々は〜する傾向にある」「多くのエンジニアが」「現代社会において」をやめ、「自分は」「あなたは」で書く。一般論だけが続くなら、具体的な人・失敗・数値・固有名詞を入れる。
- 両論併記を捨て、毒を許す。「○○もあり、△△もあります」のような全方位肯定は判断の放棄。「自分はこれを選んだ」「あれはダメだった」を引き受ける。罵倒・自虐・皮肉は人間の文章の証拠なので、必要な箇所では削らず残す。AIは毒を書けないので、書き手が手で書き足す。
B. 構造
- 命題型H2を避ける。見出しは「テーマの名前」(名詞句)で立てる。「○○は△△だ」型は各節を小さなTED talkにする。
- 二項対比を直接Yに変える。「AではなくBだ」「単なるAではなくB」を「Bだ」と直接書く。
- ムラを入れる。段落の長さ、トーン、結論の有無、密度、文末語尾を意図的にバラけさせる。全段落を同じ強度で着地させない。
- 3項目並列を疑う。「3つのポイント」「3つの観点」「3つの原則」を、2つか1つに削れないか考える。AIは3つ並べたがる。
C. 語彙と記号
- 偏愛語・必殺技造語・副詞を撒かない。「泥臭さ」「手触り」「解像度」「本質」「営み」「文脈」、および「真理」「虚飾」「禁欲的」「美学」「境地」のような必殺技造語を1記事に複数撒かない。「非常に」「めっちゃ」「普通に」「ガチで」は1段落に2個以上重ねない。禁止リストは
references/phrases.md。
- 横文字メタファーを日本語に戻す。「思考のOSをアップデート」「人生をハック」「習慣をインストール」「マインドをリファクタリング」を、「考え方を変える」「工夫する」「習慣をつける」「考え方を整理する」に戻す。「コンテキスト」「アライメント」「コミュニケーション」のような普通の日本語に戻せるカタカナ語も、戻す。
- 形容詞や心情に「」を使わない。固有名詞か直接引用以外で「」を使わない。「軽い」「動けばヨシ」のような普通の語を引用符で囲まない。
- 記号のアーティファクトを潰す。全角ダッシュ ── はコロン・改行・読点に置換。中黒並列 A・B・C は「と」「や」で繋ぐ。
** 残骸、コロン後の半角スペース、装飾絵文字(🚀🎯✨💡)の均等撒布は検索 → 全置換。
技術文書モード
対象が技術的な原稿(書籍の章、記事、解説文)のときは、references/tech-writing.md の規範を併用する。ブログ・体験記を前提にしたコアルールのうち、次は技術文書では上書きされる。
| コアルール(ブログ前提) | 技術文書モードでの扱い |
|---|
| 4. 伝聞を残す(「らしい」「そうです」) | 雑談調の伝聞は使わない。不確実性は根拠ベースで管理する(推量・可能性を機械的に断定へ変えない) |
| 6. 毒・自虐・皮肉を残す | 使わない |
| 3. 中間温度(「微妙」「よく分からん」) | 口語の評価語は使わない。程度は条件付き限定(「〜が成り立つときに限り」)で表す |
| 5. 「自分は」「あなたは」で書く | 読者は役割名(「開発者」「読者」)で呼ぶ。「あなた」は場面導入・結びなど要所のみ |
| 9. ムラを入れる / 語尾を崩す・言い淀みを残す | 崩さない。段落は論証の一歩として揃える(パラグラフライティング) |
| 13. 形容詞や心情に「」を使わない | 導入済み用語の再言及・引用・否定する命題の書き出しには「」を使う |
アカデミック自称の禁止(phrases.md 2) | 「本書」「本章」は可。ただし「本章では〜を探求する」型の空虚な予告は不可 |
劇的な断片化の全面回避(structures.md 2-3) | 段落内の短い体言止めは、場面の山場に限り使ってよい(山場限定の条件付き許容) |
語彙・構造カタログ(phrases.md / structures.md)は技術文書でも有効。加えて tech-writing.md が、整形(一文一改行、脚注、太字/「」の使い分け、ダッシュと中黒の例外規定)、段落と論証の構成、論証の厳密さ、読み手の負荷管理、視点と語り、演出の節度、LLMっぽい表現の禁止(技術文書で出やすい型)、冗長の排除、見出し、読者への誠実さを規定する。
クイックチェック
書き終わったら、上から順に確認する。何より音読が効く。目で読むと気付かない違和感が、口に出すと一気に出てくる。黙読でも、息が続かない箇所、読点を打ちたい箇所、リズムが揃いすぎている箇所を見る。
構造レベル
文・段落レベル
記号レベル
語彙レベル
強度と立場
採点
5軸を1〜10で採点。合計35/50を下回ったら書き直す。
| 軸 | 質問 |
|---|
| 立場 | 反証可能な具体的主張があるか? |
| リズム | 長さ・トーン・結論にムラがあるか? |
| 主体性 | 誰が何をしたかが明示されているか?(false agency なし) |
| 具体性 | 抽象語で終わらず、固有の文脈に降りているか? |
| 削減 | 削れる箇所はないか? |
修正の優先順位
時間が限られているなら、上から順に対処する。1と2を直さず5だけ直しても、AI臭は残る。
- 立場: 反証可能な主張があるか? なければ「自分は何が言いたいのか」を再考する。両論併記の放棄を含む。
- false agency: モノが主語で人間の動詞をやっていないか? 主体を名指しに書き換える。
- 構造のテンプレ: 命題型H2、決めつけ序文、ムラの欠如を直す。
- 語彙とフレーズ: 偏愛語、必殺技造語、翻訳調、横文字メタファー、副詞スタッキングを削る。
- 記号: ダッシュ、不要な「」、中黒並列、
** 残骸、装飾絵文字を直す。
リファレンス
references/structures.md — 避けるべき構造パターン6系統。false agency、必殺技造語、全方位肯定など。
references/phrases.md — 撲滅すべき語彙の禁止リスト8系統。偏愛語、横文字メタファー、ヘッジ、絵文字撒布など。
references/examples.md — AI版/人間版の対比例17本。
references/tech-writing.md — 技術文書モード。書籍の章・記事・解説文向けの規範(段落と論証、論証の厳密さ、読者負荷、演出の節度、見出し)。