name: web-research
description: Web調査の方法論。一次ソース(RFC・公式仕様・公式ドキュメント・原論文・ソースコード)を最優先し、検索クエリの多角化・横断的検証(lateral reading)・独立ソースでの三角測量を経て、出典付きで報告する手順。
TRIGGER when: 技術仕様・ライブラリの挙動・モデル情報・プロトコル・セキュリティ勧告などを Web で調べる時、「調べて」「検索して」「最新情報は?」と言われた時、実装判断の根拠に外部情報が必要な時。
DO NOT TRIGGER when: リポジトリ内のコードで答えが出る質問、多段・多ソースの本格リサーチレポート(deep-research の領分)、単一 URL の内容確認のみ。
Web Research
調査の品質は「何件読んだか」ではなく「どれだけ原典に近いソースで裏を取ったか」で決まる。
原則: 一次ソース優先(MUST)
主張の根拠は必ず以下の階層の上位で確定させる。下位ソースは「発見の入口」であって「根拠」にしない:
| 優先度 | ソース | 例 |
|---|
| 1 | 標準・仕様の原文 | RFC (rfc-editor.org / datatracker.ietf.org)、W3C/WHATWG 仕様、ISO、ECMA |
| 2 | 公式ドキュメント・公式発表 | 言語/ライブラリの公式 docs、ベンダーの release notes、CVE/GHSA 原文 |
| 3 | ソースコードと changelog | GitHub の該当リポジトリ、コミット、Issue/PR での メンテナ発言 |
| 4 | 研究論文・一次データ | arXiv/学会原文、公式ベンチマーク、著者公式実装 |
| 5 | 解説記事・技術ブログ | 入口としては有用。根拠として引用しない |
運用ルール:
- ブログや Q&A サイトで答えを見つけたら、そこで止まらず原典まで遡る。「RFC 9110 によれば」と書いてある記事を見たら RFC 9110 本文を WebFetch で確認してから引用する
- RFC は obsolete/updated の連鎖に注意。datatracker で最新の状態(Obsoleted by / Updated by)を確認する
- 公式 docs はバージョン付き URL を優先(
/en/latest/ より /en/v2.3/)。調べている対象のバージョンと一致させる
- 一次ソースに当たれなかった主張は、報告時に「未確認(二次情報)」と明示する
研究論文の扱い
- 解説記事ではなく論文本体(abstract + 該当セクション)を読む。「〜という研究がある」系の主張は原論文の DOI / arXiv ID まで遡って引用する
- 査読状態を区別する: arXiv preprint は未査読。学会/ジャーナル採録版があるか arXiv ページの "Journal ref" や Semantic Scholar / Google Scholar で確認し、あれば採録版を優先する
- arXiv はバージョンに注意:
v1 と v3 で数値や結論が変わることがある。引用時は参照したバージョンを明記する
- 追跡の道具: 後続研究・反証は Google Scholar / Semantic Scholar の "Cited by" で辿る。単一論文の主張(特にベンチマーク数値)は追試・サーベイ論文で三角測量する
- 著者公式実装があれば見る: 論文の主張とコードの実態(ハイパーパラメータ・評価条件)が食い違うことがある。README と評価スクリプトが一次情報
手順
調査チェックリスト:
- [ ] 1. 問いを分解し、検索クエリを 2〜3 角度で発行
- [ ] 2. 結果から一次ソース候補を選び WebFetch で本文確認
- [ ] 3. 重要な主張は独立した 2 ソース以上で三角測量
- [ ] 4. 鮮度と適用条件(バージョン・日付)を確認
- [ ] 5. 出典付きで報告(確度の区別を明示)
1. クエリの多角化: 同じ問いを言い換えて 2〜3 本並行検索する(用語系: "RFC 9111" cache-control、実装系: <library> <symbol> changelog、問題系: <error message>)。1 本目の結果で語彙を学び、2 本目を精密化する。site 指定(site:datatracker.ietf.org)や allowed_domains で一次ソースに直接絞るのも有効。
2. 横断的検証(lateral reading): 知らないサイトに当たったら、そのサイトを読み込む前に「このソースは何者か」を別タブ(別検索)で確認する。サイトの自己紹介ではなく第三者の評価で判断する。
3. 三角測量: 実装判断を左右する主張(「X は deprecated」「Y の上限は N」)は、互いに引用し合っていない独立した 2 ソース以上で確認する。同一プレスリリースの転載 10 件は 1 ソースと数える。
4. 鮮度の確認: 現在の日付を意識する(環境コンテキストにある)。LLM・ライブラリ・API の情報は特に陳腐化が速い。記事の公開日と対象バージョンを必ず見る。日付のない記事の技術主張は確度を下げる。
5. 報告: 本文中の主要な主張に出典を紐付け、末尾に Sources として markdown リンク一覧を付ける。以下を区別して書く:
- 確認済み: 一次ソースで本文確認した事実
- 二次情報: 解説記事のみで裏取りできていない主張
- 推測: ソース間の矛盾から自分が導いた解釈
アンチパターン
- 検索結果のスニペットだけで引用する(本文を WebFetch せずに)
- ベンダーのマーケティングページを技術仕様の根拠にする
- 「見つかった最初の答え」で打ち切る(反証を 1 回は探す:
<claim> problems / <claim> criticism)
- SEO アグリゲータ(公式 docs の劣化コピー)を出典にする
- 古い RFC・古い major version の docs を現行仕様として引用する
他スキルとの棲み分け
- 多段・多ソースの本格レポートが必要な時 → deep-research(fan-out + 敵対的検証つき)
- 調査結果が設計判断に直結した時 → 決定は moka-adr-writer で記録