| name | argument-gap-edit |
| description | 書籍原稿で、無理筋な議論、段落間に埋めがたいギャップ、理論や引用の見せびらかし、段落単位の割り込みを検出し、論理単位ごとに再配置・削除・橋渡しする編集を行う。第5章後半のように「前半で得た編集方針を別箇所へ適用する」「議論の筋を点検して直す」ときに使用する。 |
Argument Gap Edit
このスキルは、文章を「より自然」にするためではなく、論証の筋が本当に通っているかを点検して直すために使う。
差分の局所修正ではなく、段落が前後の論理に対して果たす役割を見る。
併用する規範
作業前に ../japanese-tech-writing/SKILL.md を読む。
特に「段落と論証の構成」「論証の厳密さ」「冗長の排除」に従う。
検出する問題
- 話題の飛び込み:前段落で導入していない語・問い・抽象語を、次段落の冒頭で主語にする。
- 言い換えによる逃げ:本文の中心語を、似た別語にすり替えて接続を作ったように見せる。
例:「見抜く」を「見分ける」に逃がす。
- 理論の見せびらかし:引用・定式化・数学用語を出しているが、その後の判断や次段落の主張を変えていない。
- 証拠の型違い:支えたい主張と、持ち出した例・研究・概念が別の問いに答えている。
- A-B-A の割り込み:同じ対象について述べている途中に別の話を挟み、その後で元の対象へ戻る。
- 術語の先出し:本文の具体的な関係を説明する前に、術語を立てて理解したことにする。
- コラムの空転:コラムが本文の作業判断を前に進めず、知識紹介だけで終わっている。
点検手順
- 対象範囲を段落単位に分ける。
- 各段落について、次の三つを一文で書き出す。
- 前段落から何を受けているか
- その段落が本文で果たす役割
- 次段落へ何を渡しているか
- この三つのどれかが書けない段落を、ギャップ候補にする。
- ギャップ候補について、上の「検出する問題」のどれに当たるかを判定する。
- 修正は、段落の中身だけでなく、段落の順序・削除・コラム化・本文への戻しを含めて考える。
修正方針
- 段落冒頭は、前段落の語・問い・未解決事項を受ける。
- 新しい理論や引用は、それが次の主張を変える場合だけ残す。
- 具体例で言えることは、まず具体的な関係として書く。術語は後から置く。
- 同じ対象について述べる文は連続させる。別の根拠や研究は、その対象の説明が閉じたあとに置く。
- コラムは、読者が次に何を判断できるようになるかを書けないなら削るか、作業上の問いに変える。
- 修正後、段落ごとに「受けるもの」「果たす役割」「渡すもの」を再確認する。