| name | home-translation-quality |
| description | 公式翻訳との比較から導出した技術書翻訳の品質基準。翻訳作業時に自動参照。 |
Translation Quality Skill
O'Reilly公式日本語版(FSA 2nd: ISBN 9784814401550)との比較分析から導出した翻訳品質基準。
1. 見出しフォーマット
公式翻訳のパターン
# 1章
イントロダクション
## 1.1 ソフトウェアアーキテクチャの定義
### 20.1.1 ドメインによる結合と運用による結合の分離
#### 20.1.1.2 サービスメッシュ
学び
- 章タイトルは
# N章 + 改行 + 日本語タイトル(英語原文の # Chapter N. Title から変換)
- セクション番号を階層的に付与:
## N.M, ### N.M.K, #### N.M.K.L
- 英語原文にセクション番号がなくても、公式翻訳では追加されている
- 全角スペースではなく**全角の空白(U+3000)**をセクション番号とタイトルの間に使用
2. 図キャプション
公式翻訳のパターン

図1-1 日本語の説明文
学び
Figure 1-1. English caption → 図1-1 日本語キャプション
- 画像の alt テキストも日本語に翻訳
- キャプションは画像の直後に独立行として配置
- 体言止めではない(公式翻訳では文末が「〜を表す」「〜を指す」など動詞終わり)
- これは我々の翻訳ルール(体言止め)と異なるので注意が必要
3. 強調・用語の扱い
公式翻訳のパターン
- 初出の重要用語: 太字で日本語訳を表記、英語原語はバッククォートなしで括弧表記しない
- 例:
**アーキテクチャ特性**、**論理コンポーネント**、**イベント駆動アーキテクチャ(Event Driven Architecture:EDA)**
- 略語がある場合のみ英語併記:
**イベント駆動アーキテクチャ(Event Driven Architecture:EDA)**
- コード中の名称はバッククォートで英語のまま:
`Payment Processing`、`Order Fulfillment`
我々の翻訳との差分
- 我々: 「レプリケーション(replication)」のように初出時に英語併記
- 公式: 略語がない限り英語併記しない。読者が英語原文を横に置いている前提がない
- 推奨: 技術用語の初出時は英語併記を維持(我々の読者は原文参照する可能性が高い)
4. 訳注
公式翻訳のパターン
[†1] 訳注:建設業からのアナロジー。建設業界では...
学び
- 脚注形式で
[†N] を使用
- 本文中に
†N マーカーを挿入し、段落末尾に訳注を配置
- 日本の読者にとって馴染みがない文化的参照に訳注を付ける
- 我々の翻訳でも積極的に訳注を追加すべき(特に欧米固有のアナロジーや歴史的参照)
5. 文体の違い
公式翻訳の特徴
- 「です・ます」調ではなく**「である」調**を使用
- 例: 「〜を指す」「〜を表している」「〜の1つだ」
- 著者の一人称: 「筆者ら」「私たち」
- 読者への呼びかけ: 「〜してほしい」「〜してみよう」
差分と判断
- 我々の翻訳ルールは「です・ます」調で統一
- 公式翻訳の「である」調は出版物としての慣例
- 「です・ます」調を維持(我々の翻訳は学習用途で、より親しみやすい文体が適切)
6. 引用・コールアウトボックス
公式翻訳のパターン
> ソフトウェアアーキテクチャはトレードオフがすべてだ。
>
>
> ――ソフトウェアアーキテクチャの第一法則
| |
| --- |
| 有害イベント(poison event)は、派生イベントが... |
学び
- 名言・法則の引用: blockquote (
>) + ダッシュ付き出典
- 注記・警告ボックス: テーブル形式 (
| |) で表現
- 英語原文の
NOTE: や TIP: がテーブル形式に変換されている
7. 章間参照
公式翻訳のパターン
「8章 コンポーネントベース思考」
「15.2.3 拡張可能なイベントを送信する」
- 英語原文の
Chapter 8 → 8章、"Choreography and Orchestration" → 「18.2.8 コレオグラフィとオーケストレーション」
学び
- セクション番号 + 日本語タイトルで参照
- 鉤括弧で囲む
- 英語の章タイトルは使わない
8. 文の自然さ
公式翻訳で観察された工夫
- 受動態の能動態への変換: "is denoted by" → 「〜で示されている」
- 長文の分割: 英語の1文が日本語では2-3文に分かれるケースが多い
- 主語の省略: 日本語として自然な場合は主語を省略
- 接続詞の追加: 文と文の論理的つながりを明確にする接続詞(「つまり」「したがって」「一方」)を補う
- 括弧内の補足説明の活用
避けるべきパターン
- 英語の語順そのままの直訳
- 不自然に長い一文(目安: 80文字を超えたら分割を検討)
- 「それ」「これ」の多用(具体的な名詞に置き換える)
適用タイミング
- 翻訳リポジトリ(content/bilingual/)で翻訳作業を行うとき
- 翻訳品質レビュー時
- glossary.md の更新時