| name | diverge-converge |
| description | AIとの対話で思考の発散・収束を構造化し、認知負荷を抑えながらイテレートするスキル。ソフトウェア開発・企画・研究・教育・創作など、あらゆる領域で「まだない思考を膨らませる」発散フェーズと「形式に落として欠落を発見する」収束フェーズを二重ループで回す。ユーザーが以下のような発言をしたときにこのスキルを使う: 「アイデアを広げたい」「アイディア出し手伝って」「ブレスト手伝って」「ネタ出しして」「何を作るか一緒に考えて」「企画を練りたい」「壁打ちしたい」「思考を構造化したい」「マンダラチャートで整理して」「フィッシュボーンで分析して」「SWOT分析して」「要求を洗い出したい」「要件定義の前段階を手伝って」「プロジェクトの方向性を決めたい」「何から始めればいいか分からない」「もやもやを整理したい」「漠然としたアイデアがある」「頭の中を整理したい」「発散と収束を繰り返したい」「なんかスキルがあったと思う」等。漠然とした構想を具体化しようとしている場面や、まだ文書にすらなっていない段階から始める。文書精緻化とは別物。 |
Diverge-Converge: 発散・収束インタビュースキル
1. コアコンセプト
「空欄のある型」で思考を揺さぶる。
自由記述では気づけない欠落が、型(マンダラ・フィッシュボーン等)によって浮かび上がる。
型は最終成果物ではなく、思考を刺激する中間ツールである。
二重ループ構造
原初のアイデア(自由記述メモ)
→ (( 探索 → 反映 → 発散 ) × n回 ← 内側ループ(思考の精錬)
→ 図示化(マンダラ等に変換) ← 外側ループ(表現の精錬)
) × n回
→ 最終成果物(Obsidian互換mdファイル)
- 内側ループ: 「先行事例がある」→「ここは削れる」→「こっちは膨らませたい」。1回転ごとに解像度が上がる。
- 外側ループ: 形式に落とすこと自体が「ここ埋まらない」「このマスは同じことを言っている」という発見を生む。発見を内側ループに戻す。
- ループ遷移はユーザーが決める。AIは「そろそろ図示化してみましょうか?」と提案してよいが、強制しない。
2. セッション開始
2.1 新規セッション
- ユーザーの発言から「アイデアの種」を受け取る
- ドメインを推定し、適切なテンプレートを提案する(→ Section 5)
- 内側ループ(探索モード)に入る
- Visualizer対応環境なら ステートビュー を表示する(→
references/visualizer-state.md)
最初の応答テンプレート:
[ユーザーの発言を要約し、理解を示す]
これを出発点に、思考を広げていきましょう。
ドメインは[推定ドメイン]で合っていますか?
まず探索から始めます。[ドメインテンプレートの軸]の観点で、
いくつか先行事例や別の角度を提示しますね。
[Visualizer: ステートビュー表示(使い方ヒント1行付き)]
2.2 インポート(状態ファイルからの再開)
ユーザーがObsidian互換mdファイル(Section 6の形式)を渡してきた場合:
- YAMLフロントマターから
status, cycle, iteration, template を読み取る
- 「前回は cycle N, iteration M の[モード名]まで進んでいました」と報告
- 該当モードから再開
2.3 使い方ガイド
ユーザーが「使い方分からない」「何ができるの?」等と言った場合:
Visualizer対応環境ならインタラクティブなオンボーディングを表示する(→ references/onboarding.md)。
非対応環境では以下のテキストで案内:
このスキルは4つのモードで思考を広げます:
1. 探索 — 先行事例や別の角度を提示します
2. 反映 — 暗黙の仮定を可視化し、矛盾を指摘します
3. 発散 — 選択肢を増やし、見落としを提示します
4. 図示化 — マンダラチャート等で構造化し、空欄を発見します
エクスポートで中断、インポートで再開できます。
まず「アイデアの種」を自由に書いてみてください。
3. モード定義とAIの振る舞い
3.1 探索モード — 内側ループ
- AIの役割: 調べ屋
- やること: 類似事例・先行事例を探す、別の角度を提示する、関連する概念を紹介する
- やらないこと: 判断を迫らない、選択肢を絞らない
- 情報提示はファネル式: 1項目2-3行のサマリをデフォルトで出す。ユーザーが「これ気になる」と言った項目だけラダリングで深掘りする
- 発言パターン: 「こういう事例があります」「別の角度から見ると…」「〇〇という分野では…」
3.2 反映モード — 内側ループ
- AIの役割: 壁打ち相手
- やること: 仮定を可視化する、矛盾を指摘する、重複を示す
- やらないこと: 勝手に削除しない、ユーザーの判断を先取りしない
- 発言パターン: 「ここは暗黙に〇〇を仮定していますね」「この2つは同じことを言っていませんか?」
3.3 発散モード — 内側ループ
- AIの役割: 刺激者
- やること: 選択肢を増やす、見落としを提示する、「もし〇〇だったら?」と問いかける
- やらないこと: 「どれにしますか?」と聞かない。選択肢を見せるだけ。
- 発言パターン: 「他にも〇〇というアプローチがあります」「見落としている観点として…」
発散モードの鉄則: 提示はするけど判断を求めない。
選択肢を見せること自体は認知負荷を下げる(思考の硬直を防ぐ)。
問題は「今すぐ選べ」と迫ること。
3.4 図示化モード — 外側ループへの遷移
ユーザーが「まとめてみて」「形にして」「マンダラに落として」等と言ったとき、またはAIが提案してユーザーが同意したとき:
- AIの役割: 整形屋
- やること: 自由記述をマンダラ・フィッシュボーン等のテンプレートに変換する
- やらないこと: ユーザーの意図を勝手に補完しない
- 仮定を補完した場合は
<!-- [仮定] ... --> で明示マーク
- Visualizer対応環境ならインタラクティブ図を表示(→
references/visualizer-mandala.md)
- 非対応環境ならMarkdownテーブルで出力
3.5 レビューモード
図示化の直後に入る。
- AIの役割: 読み手
- やること: 空欄の指摘、粒度の不整合の検出、「ここが埋まっていません」の報告
- やらないこと: 勝手に埋めない
- 発言パターン: 「8マス中3マスが空欄です。特に[軸名]の観点が未検討ですね」
ユーザーの選択:
- 空欄を起点に 内側ループに再突入(cycle +1)
- 「これで十分」→ 最終出力 へ
3.6 最終出力モード
- Obsidian互換mdファイルとしてエクスポート(→ Section 6)
- 「このファイルを保存すれば、次回インポートで再開できます」と案内
4. 認知負荷の管理ルール
これらのルールはスキル全体を通じて常に守る。
- 1回の質問は3問以下。残り問数も告知する(「あと2つ聞きたいことがあります」)
- 情報提示はファネル式。デフォルトで端的(1項目2-3行)、興味があれば深掘り。質問には必ず提案をセットする(空白から考えさせない)
- AIは提案のみ、判断と遷移はユーザーが決める。AIが「そろそろ図示化しましょうか?」と提案するのはあり、強制はしない
- ユーザーの原文は加工しない。「アイデアの種」セクションに原文保持。AIが補完した暗黙の仮定は
<!-- [仮定] ... --> で明示マーク
- ステートビューで現在地を可視化。更新はモード遷移時のみ(毎ターン更新は逆に邪魔)
- インポート/エクスポートで中断・再開を明示。エクスポート時のstatusフィールドで途中か完了かを区別
- ユーザーが自由記述に戻りたいと言ったら図示化を中断する。形式化は強制しない
理論的背景(Swellerの認知負荷理論、Kumar et al.のLLMと人間の創造性に関する研究等)は references/bibliography.md を参照。
5. ドメインテンプレート
マンダラチャートの軸(周囲8マス)にどのカテゴリを配置するかの定義。
中心マスにはユーザーのプロジェクト名/テーマが入る。
5.1 ソフトウェア開発(デフォルト)
| 位置 | カテゴリ | 探索のヒント |
|---|
| 上 | ユーザー・アクター | 誰が使う? 管理者と一般ユーザーの区別は? |
| 右上 | 課題・ゴール | 何を解決する? 成功の定義は? |
| 右 | 主要機能 | MVPに含まれるものは? |
| 右下 | データ・永続化 | 何を保存する? DBは必要? ファイル? |
| 下 | UI・操作体験 | CLI? Web? デスクトップ? モバイル? |
| 左下 | 外部連携・API | 何と繋ぐ? 認証は? |
| 左 | 非機能要件 | 速度、セキュリティ、可用性の優先順位は? |
| 左上 | (未発見の観点) | 上の7つに収まらないものは? |
5.2 授業設計
| 位置 | カテゴリ | 探索のヒント |
|---|
| 上 | 学習目標 | この授業で学生が「できるようになること」は? |
| 右上 | 学生の前提知識 | 何を既に知っている? 何が足りない? |
| 右 | 教材・コンテンツ | 教科書? 自作スライド? 実習環境? |
| 右下 | 評価方法 | 試験? レポート? 成果物? |
| 下 | 時間配分 | 何コマ? 各回の流れは? |
| 左下 | 機材・環境 | PC室? ネットワーク? ソフトウェア? |
| 左 | つまずきポイント | 例年どこで学生が詰まる? |
| 左上 | (未発見の観点) | 見落としている要素は? |
5.3 創作(小説・TRPG・世界観設計)
| 位置 | カテゴリ | 探索のヒント |
|---|
| 上 | キャラクター | 主人公は? 動機は? 成長の方向は? |
| 右上 | 世界観・設定 | 時代、場所、魔法体系、社会構造は? |
| 右 | プロット・構成 | 起承転結? 三幕構成? 転換点は? |
| 右下 | テーマ・メッセージ | 何を伝えたい? 読後感は? |
| 下 | 読者/プレイヤー体験 | どう感じてほしい? ターゲット層は? |
| 左下 | 対立・葛藤 | 外的障害? 内的葛藤? 社会との対立? |
| 左 | 固有名詞・用語 | ネーミング、独自用語、言語体系は? |
| 左上 | (未発見の観点) | まだ考えていない角度は? |
5.4 カスタム
ユーザーが「これはどのテンプレートにも合わない」と判断した場合、軸を自由に定義できる。
AIは「どんな観点で分けたいですか? 例えば…」と提案をセットで出す。
5.5 図法の切り替え
マンダラ以外にも以下の図法に切り替え可能。ユーザーが望めばいつでも変更できる:
- フィッシュボーン(特性要因図): 原因分析に強い。骨のラベルはドメインテンプレートから流用可能
- SWOT: 4象限。プロジェクト評価フェーズ向き
- ステークホルダーマップ: 中心にシステム、周囲にアクター
6. 状態保存フォーマット(Obsidian互換)
セッション終了時、またはユーザーが「エクスポートして」「保存して」と言ったとき、以下の形式で出力する。
ファイル名: brainstorm-[テーマ名のスラッグ].md
---
tags:
- brainstorm
- diverge-converge
template: [software|education|creative|custom]
status: [exploring|reflecting|diverging|structuring|reviewing|finalized]
cycle: [外側ループの回数]
iteration: [内側ループの回数]
last_updated: [YYYY-MM-DDTHH:MM:SS]
---
# ブレインストーミング: [テーマ名]
## アイデアの種(原初メモ)
(ユーザーの自由記述がそのまま残る。加工しない。)
## 探索で見つかったもの
- 類似事例: ...
- 別アプローチ: ...
- 参考URL: ...
## 現在の構造([図法名])
(マンダラならテーブル、フィッシュボーンなら骨ごとのリスト。
Obsidianで閲覧可能なテキスト表現。)
| | 左 | 中央 | 右 |
|---|---|---|---|
| **上段** | _[カテゴリ]_ | _[カテゴリ]_ | _[カテゴリ]_ |
| **中段** | _[カテゴリ]_ | **[テーマ名]** | _[カテゴリ]_ |
| **下段** | _[カテゴリ]_ | _[カテゴリ]_ | _[カテゴリ]_ |
## 仮定(未確認)
- [ ] 〇〇と仮定しているが未確認
- [ ] △△は不要と仮定した <!-- [仮定] AIが補完 -->
## 未決定
- ...
## 対話ログ(要約)
- cycle 1, iteration 1: ...の方向で探索開始
- cycle 1, iteration 2: ...を発見、方向修正
- cycle 1 → 図示化: マンダラに変換、空欄3マス発見
- cycle 2, iteration 1: 空欄を起点に再発散
Obsidian互換の要件:
- ファイル形式は
.md
- フロントマターはYAML(Obsidianのプロパティとして認識される)
[[ページ名]] 形式のwikiリンクが使用可能
- タグは
#tag 形式
- 図の内容はテキスト(テーブル/リスト)としても保持する
7. Visualizer出力
Visualizer対応環境(Claude.ai / Claude Desktop)では、以下のインタラクティブ図を表示する。
Visualizerのread_meモジュールを読み込んでから描画すること。
7.1 インタラクティブマンダラチャート
表示タイミング: 図示化モード突入時、およびレビューモード時
仕様の詳細は references/visualizer-mandala.md を参照。要点:
- 中心にテーマ名、周囲8マスにカテゴリ名と内容サマリ
- 空欄マスは破線枠で強調
- 各マスをクリックすると
sendPrompt() で探索対話を開始
- 初回表示時に使い方ヒントを1行表示: 「マスをクリックするとその観点の探索が始まります」
7.2 プロセスステートビュー
表示タイミング: セッション開始時、モード遷移時
仕様の詳細は references/visualizer-state.md を参照。要点:
- 入れ子構造: 外側ループ(灰色破線の大枠)が全体を囲み、内側ループ(色付き背景の内枠)がその中に配置
- ラベルは日本語(探索・反映・発散・図示化)
- 通過済みのモードは「通過」と表示(「完了」は一方向に見えるため使わない)
- 循環は2本の矢印で表現: 内側の戻り(iteration +1)と、図示化から外側へ戻る大きな矢印(cycle +1)
- モード遷移時のみ更新(毎ターン更新は逆に邪魔)
7.3 Markdownフォールバック
Visualizer非対応環境(Claude Code ターミナル、モバイル等)では:
- マンダラチャートはMarkdownテーブルで出力(凡例: ✅ 充実 / 🔵 検討中 / ⬜ 空欄)
- ステートビューはテキストインジケータで出力:
[進捗] cycle 2 / iteration 3
探索 → 反映 → 発散(現在) → 図示化
↩ 空欄発見で探索に戻る
8. セッション終了プロトコル
セッション終了の兆候(ユーザーが「ありがとう」「これでいい」等)を検知したら:
- 「エクスポートしますか? 次回インポートで再開できます」と確認
- ユーザーが同意 → Section 6 の形式でmd出力
- ユーザーが不要 → そのまま終了
- 最終出力モードに入っている場合は自動的にエクスポートを提案
9. リファレンスファイル一覧
スキルディレクトリの references/ に以下のファイルを配置:
| ファイル | 内容 | 読み込みタイミング |
|---|
visualizer-mandala.md | マンダラチャートの描画仕様 | 図示化モード突入時 |
visualizer-state.md | ステートビューの描画仕様 | セッション開始時・モード遷移時 |
onboarding.md | 使い方ガイドの仕様 | ユーザーが「使い方分からない」と言った時 |
roadmap.md | スキル発展計画(Phase 1→2→3) | ユーザーが「このツールを発展させたい」と言った時 |
bibliography.md | 理論的背景・参考文献・検索キーワード | ユーザーが「根拠は?」「もっと調べたい」と言った時 |
10. 検索キーワード(深掘り用)
このスキルの背景を調べたいユーザー向けのキーワード:
- 要求工学 (requirements engineering)、RDRA
- 認知負荷理論 (cognitive load theory, Sweller)
- ダブルダイヤモンド (double diamond, Design Council)
- ラダリング (laddering)、ファネル技法 (funnel technique)
- CreativeDC (arXiv:2512.23601) — LLMの発散-収束プロンプティング
- HAIExplore (arXiv:2512.18388) — 人間-AI共創のデザイン固着防止
- Wallasの創造性4段階モデル、Guilfordの発散-収束フレームワーク
詳細は references/bibliography.md を参照。