| name | ringi |
| description | 作成手順「ringi」(self-evolving-agent から自動同期): Procedure: ringi |
Procedure: ringi
稟議書作成手順(EM 版)
用途: 予算・採用・外部委託・方針変更に関する上位決裁が必要なとき。
workspace/ringi-YYYYMMDD-[テーマ略称].md に作成し、決裁者へ直接送付できる状態で出力する。
Step 0: 稟議タイプを最初に宣言する(15 秒)
タイプが変わると必須セクションの比重と読み手の関心が変わる。
| タイプ | 代表例 | 追加で比重が増すセクション |
|---|
| 予算稟議 | ツール導入・外部サービス契約 | §3 費用概算(変数式)・§6 代替案比較・コスト上限目安 |
| 採用稟議 | 正社員・業務委託の新規採用 | ポジション要件・採用コスト・組織への影響(FTE 変化) |
| 組織変更稟議 | チーム再編・役割変更 | 変更前後の権限関係・移行スケジュール・影響者一覧 |
| 方針変更稟議 | 技術方針・運用ルール変更 | 変更影響範囲・ロールバック条件 |
Step 1: 決裁者と読み手を確定する(必須)
「誰に上げるか」によって深さ・補足の量が根本的に変わる。
| 確認項目 | 問い |
|---|
| 決裁者 | 誰が最終承認するか(本部長 / CTO / CEO) |
| 閲覧者に非技術者が含まれるか | YES → 技術用語に一文の平易な補足を付ける(Lesson D) |
| 決裁に必要な情報が揃っているか | 費用・期待効果・リスクの三点が揃っていれば着手可能 |
非技術の決裁者を含む場合(稟議ではほぼ常に該当):
技術コンポーネントの説明欄に「非技術者向け補足」列を必ず追加する(Lesson D)。
補足の書き方: 「= [平易な一文で仕組みを説明]」
例: 「= PR を作成すると AI が差分を解析し、初期レビューコメントを数分以内に自動投稿する仕組み」
Step 2: 「稟議の論点」を 1 文で言えるか確認する(着手前ゲート)
1 文テスト: 「何のために・いくらで・誰に承認を求めているか」を 1 文で言えなければ、本文を書き始めてはいけない。
合格例:
- 「AIコードレビュー自動化に月額約 ¥5 万(変動)を投じ、PR レビューボトルネックを解消する許可を本部長にお願いする」
不合格例(着手禁止):
- 「ツール導入の稟議を書く」← 費用・目的・決裁者が不明
- 「AIコードレビューを全社展開したい」← いくらかが不明
1 文を書いてから §1〜§7 の本文に進む。
Step 3: メタデータと希望決裁日を設定する
起案日 = 今日の日付(Lesson C:プレースホルダーにしない)
希望決裁日は「展開開始日 − バッファ日数(最低 3 営業日)」で逆算し、python3 で平日か確認する:
python3 -c "
from datetime import date
d = date(YYYY, M, D)
weekday = d.weekday() # 0=月 ... 4=金 5=土 6=日
print(d, d.strftime('%A'), 'WEEKDAY ✅' if weekday < 5 else 'WEEKEND — 要移動')
"
土日に当たる場合は直前の金曜か翌週の月曜に移動し、インライン注記を添える(例: 「金 [YYYY-MM-DD] 中 — 土曜 [YYYY-MM-DD] からの繰り上げ」)。
メタデータ表テンプレート:
| 起案日 | 起案者 | 決裁者 | 希望決裁日 |
|---|---|---|---|
| [今日の日付(曜日)] | [氏名(メールアドレス)] | [決裁者氏名] 様 | **[YYYY-MM-DD(曜日)] 中** |
Step 4: 7 セクション構成(本文)
§1 目的・背景 — 現状 → 課題 → 解決策の因果構造
3 パートを順番に書く:
現状の課題(なぜ今これを上げるか・放置するとどうなるか)
↓
現状の取り組み(すでに検証・着手していることがあれば先に示す)
↓
目的(何を達成するためにこの稟議を上げるか)
「現状の取り組み」がある場合、決裁者の「新規リスク」への懸念を先に解消できる。
「パイロット検証済み」「技術検証済み」の事実があれば必ず明示する(承認速度に大きく影響する)。
§2 導入内容 — 何をするか(非技術者向け補足必須)
| コンポーネント | 概要 | 非技術者向け補足 |
|---|---|---|
| [名称] | [1〜2 行の説明] | = [平易な一文で仕組みを説明] |
対象スコープ(誰が・どのリポジトリが・どの組織が)と展開スケジュール(フェーズ + 日付)も記載する。
§3 費用概算 — 変数式で表現する(Lesson A 必須)
絶対にやってはいけない: 費用欄を空欄や「要確認」にする。変数が未確定でも変数定義 + 計算式 + 参考レンジで表現し、決裁者が変数を代入するだけで全体コストを把握できる形にする。
> 変数: **N** = [変数の定義(例: 追加ライセンス数)] / **M** = [変数の定義(例: 月間 PR 件数)]
| 項目 | 算式 | 参考試算 |
|---|---|---|
| [費目 A] | ¥X/[単位] × N | N=10 → ¥Y / N=20 → ¥Z |
| **月額合計** | **¥X×N + M×¥Y + α** | N=10, M=500 → **¥XX,000** / N=20, M=1,000 → **¥YY,000** |
必須: コスト上限の目安を一文添える。例: 「API 費が月 ¥XX,000 超過時はフィルターを自動適用して規模を制御する」。決裁者が「青天井リスク」を感じると承認が遅れる。
§4 期待効果 — 定量目標 + 定性効果
定量目標は「指標 / 現状 / 目標 / 計測方法」の 4 列で書く(計測できない目標は定量に含めない):
| 指標 | 現状 | 目標 | 計測方法 |
|---|---|---|---|
| [指標名] | ベースライン or 実測値 | [数値目標] | [誰が・どのツールで測るか] |
現状値が未計測の場合は「ベースライン」と書き、計測方法を目標の一部に含める。
§5 リスクと対策 — 決裁者が想像する懸念を先に潰す
| リスク | 深刻度 | 対策 |
|---|:---:|---|
| [リスク内容] | 🔴 高 / 🟡 中 / 🟢 低 | [具体的な対策] |
最低 3 件。決裁者が想像しやすい懸念(セキュリティ / 現場の反発 / コスト超過)を意識的に含める。「対策」は「モニタリングする」で終わらず、発動条件と初動アクションまで書く。
§6 代替案との比較 — 却下理由が本質(Lesson K 必須)
採用案の説明より却下した理由の方が価値が高い。決裁者が「他の手はなかったのか?」と聞かなくて済む形にする。
| 案 | 月額概算 | 採否 | 採否の根拠 |
|---|---|:---:|---|
| **A. 本提案** | [算式] | ✅ 採用 | [なぜ本提案を選んだか] |
| B. [代替案名] | [概算] | ❌ 却下 | [なぜ却下したか。今の制約で見送った場合はその制約を明記] |
| C. 現状維持 | ¥0 | ❌ 却下 | [なぜ何もしないではいけないか] |
再検討トリガーを必ず書く(Lesson K): 「将来この条件が変わったら B を再検討する」を記録することで、同じ議論が再燃するコストをゼロにする。
§7 承認のお願い — 初動アクションと承認欄
**希望決裁日: [YYYY-MM-DD(曜日)中]**
理由: [展開開始日] から Phase 1 に着手するため。
**承認後の初動(承認翌週中):**
1. [具体的な初動アクション 1]
2. [具体的な初動アクション 2]
3. [具体的な初動アクション 3]
| | 氏名 | 確認・決裁 | 日付 |
|---|---|---|---|
| 決裁者 | [決裁者氏名] 様 | | |
| 起案者 | [氏名] | ✍️ | [今日の日付(曜日)] |
Step 5: 送信前に埋める項目リストを冒頭に置く(Lesson A 必須)
成果物の冒頭(Subject 行の直後・本文の前)に、未確定値の一覧を番号付きで置く。
> **送信前に埋める項目(優先順):**
> 1. `[決裁者氏名]` — ヘッダー表と §7 承認欄の 2 箇所
> 2. `[変数 N の実数値]` — [確認先(例: 情シス経由で現契約席数を確認)]
> 3. `[X% の実測値]` — [確認先(例: パイロットの実測データから記入)]
> 4. [その他の未確定項目]
Step 6: Subject 行を先頭に置く(Lesson B)
> **Subject: 【決裁依頼】[テーマ] — [YYYY-MM-DD(曜日)] 中にご決裁をお願いします**
Step 7: 出力前の品質チェック(1 分)
取り込み経緯: 2026-06-28 の auto-kaizen セッション。指定 10 ドメイン中、稟議だけが eval-ringi.md(eval)あり × procedures/ringi.md(手順)ゼロという唯一の構造的空白だった(前回 2026-06-27 の code-review-execution.md 追加で他の空白はすべて埋まった)。Lesson A・B・C・D・K のすべてが稟議文脈で発動するにもかかわらず未統合だった点を、稟議固有の実行フローとして体系化した。