| name | recover |
| description | 長考や自問自答の末に、元の質問から逸れた(drift した)回答をしてしまったときに、 思考を原点に立て直すためのリカバリスキル。同一セッションで元の質問に答え直す「原点回帰」を核に、 それでも直らない場合は、汚染のないセッションで再出発するための「質問カード」を出して /clear や 新セッションへ誘導する、一直線のエスカレーション型。 「迷走してる」「質問に答えてない」「そんなこと聞いてない」「ズレてる」「話が逸れた」「やりなおして」 「元の質問に戻って」「なんでその話になってるの」と言われたら使う。 ユーザーが直前の回答に対して困惑・不満・「?」を示したとき、あるいは自分の回答が元の質問と かみ合っていないと気づいたときは、指示される前にこのスキルを提案・発動してよい。
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Recover — 迷走からの原点回帰
長考の途中で「もっと良い問い」や「関連する別の問題」を自分で見つけ、そちらに乗り換えてしまう。
自問自答が長くなるほど、元の質問の重みが薄れていく。結果として、聞かれたことと違うことに
一生懸命答えている——このスキルは、その状態から元の質問に立て直すためのもの。
まず、このスキルの限界を直視する
このスキルにできるのは、コンテキストに指示を足すことだけ。すでに積み上がった
自問自答の履歴——つまり「汚染されたコンテキスト」——を消したり巻き戻したりはできない。
だから「元質問に答え直す」(手順1〜3)は、同じ汚染の上に立っている以上、効果は
「マシになる」程度で、完全ではない。本当に効くリセットは、コンテキストを捨てること——
/clear か新セッションでのやり直し(手順4)だ。
この順で設計してある理由は、「軽症ならその場で直る(手順1〜3)/重症なら潔く捨てて出直す(手順4)」
という二段構えにするため。手順1〜3を過信せず、直らなければ迷わず手順4に倒すこと。
粘って何度も同じコンテキストで答え直すのは、汚染を上塗りするだけで逆効果になりやすい。
手順1:元の質問を再抽出する
会話をさかのぼり、ユーザーが最初に本当に聞きたかったことを特定する。
自分の直前の回答や、その手前の自分の思考ではなく、ユーザーの言葉を起点にする。
特定したら、一文で再掲して確認する。
あなたが最初に聞きたかったのは「〇〇」ですね。ここに立て直します。
途中でユーザーが質問を追加・修正していることもある。その場合は「最初の質問」ではなく
現時点で答えるべき質問を拾う。迷ったら、勝手に決めずに一言で確認する。
手順2:脱線を明示的に脇へ置く
これまでの自問自答・派生議論・一般化を、一度すべて脇に置くと宣言する。
黙って無視するのではなく、明示的に「切り離す」ことが大事。そうしないと、
直後の回答がまた過去の思考に引きずられる。
これまで広げた話(△△や□□)は一旦すべて脇に置きます。
脇に置いた中に本当に価値のある発見があったなら、それは答え終わった後の追記として
一行触れるだけにとどめる。回答の本体に混ぜない。
手順3:最短で答え直す
元の質問だけに、寄り道せずに答える。ここが drift の再発を防ぐ肝。
以下を意識する。
- 答える前に、答えるべき問いを一行で固定する。 「私が今から答えるのは〇〇」と自分に釘を刺す。
- スコープの外に出ない。 聞かれていないことに答えない。「ついでにこれも」をやらない。
- 「もっと良い問い」を思いついても乗り換えない。 それは手順2で脇に置いたものと同じ扱い。
どうしても伝えたければ、本体を答え切った後に一行で提案する。
- 長考するなら、脱線ではなく深掘りに使う。 元の問いをより良く答えるための思考は歓迎。
元の問いから離れていく思考は drift。この区別を思考中に自問し続ける。
drift の多くは「質問の解釈に余地があり、勝手にスコープを広げた」ことから始まる。
だから、少しでも元質問が曖昧だと感じたら、広げて推測で答えるのではなく、
狭く解釈して確認する方に倒す。
手順4:効かなければ、再出発カードを出す
答え直してもまだズレている、あるいは手順1の時点で「このコンテキストはもう
自問自答で重症だ」と感じたら、同一セッションでの粘りをやめて再出発に切り替える。
汚染のないセッションに貼れる「再出発カード」を出力し、/clear か新セッションを促す。
カードは、元の質問と最低限の前提だけをクリーンに再構成したもの。過去の脱線は一切含めない。
再出発カードのフォーマット
## 再出発用カード(/clear するか新セッションに貼ってください)
### 質問
<元の質問を1〜2文で。曖昧さを残さない>
### 前提・文脈(本当に必要なものだけ)
- <この質問に答えるのに不可欠な事実・制約だけを列挙。脱線した議論は入れない>
### 欲しい答えの形と、スコープ外
- 欲しいもの: <出力の形式・粒度>
- スコープ外: <今回は踏み込まなくていい範囲。ここを書くことで次の drift を予防する>
そのうえで、こう促す。
このカードを持って /clear するか、新しいセッションに貼ってください。
そちらのほうが、この汚れたコンテキストで粘るより確実に立て直せます。
「スコープ外」を明記させているのは、次の drift の予防を兼ねているため。
元質問が曖昧なまま再出発すると、新セッションでもまた勝手にスコープが広がる。
何に答え、何に答えないかを先に固定しておくのが効く。
トーンの指針
- 立て直しは、謝罪より宣言で。「すみません逸れました」を長々やるより、
「ここに立て直します」と宣言して即座に元質問へ戻るほうが、ユーザーが求めているもの。
- 手順4への切り替えは敗北ではない。「このコンテキストは捨てたほうが早い」と
正直に言えることのほうが、ユーザーの時間を守る。歯切れよく提案する。
- カードは簡潔に。再出発のための道具であって、これまでの議論の要約ではない。